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農業研究機関

宮崎さん

農業研究機関の原さんは水田で作物と土壌の関係を科学的に研究しています。圃場の土壌水分量と酸化還元電位をデータミニで監視し、研究に役立てています。

電気工事図面

設置の様子

HIOKI:
現在どのような用途でデータミニを使用していますか?
原さん(以下、敬称略):
麦畑の土壌水分量と酸化還元電位を計測しています。
HIOKI:
麦の発育に大切な要素ということでしょうか?
原:
日本で麦は水田で作ります。水田は水を溜める場所ですから、排水が悪い水田で栽培する麦は、雨が多いと根が腐れやすいというのが大きな問題なんです。そうなると、穂が出てもだんだんと枯れてしまう。これを枯れ熟れといいます。根が死んでしまうから、軽い力で根が抜けてしまう。そこで、なぜ枯れ熟れが起きるかとか、対策技術を作るということを研究しているわけです。
HIOKI:
酸化還元電位とは何でしょうか?
原:
単純に言えば土壌に酸素が多いか少ないかです。この電位は、酸素がなくなったからといってゼロになるかと言えばそうではなく、酸素の代替物にも反応します。
HIOKI:
土壌に含まれている酸素量ということですか?
原:
酸素自体を測っているわけではないんですよ。土壌の中には酸化物がいっぱいあります。これらは、ある意味、酸素の代わりになります。逆に、酸素を奪いやすい物質もあります。そんな物質を含めて、土壌に酸素の代替物がどれだけ多くある状態なのかということを酸化還元電位から予想します。
HIOKI:
どんな酸化物が多いですか?
原:
主に遷移金属の酸化物が多いです。その中で代表的なものは酸化鉄です。まあ、錆みたいなものですね。
HIOKI:
酸化還元電位を測定して研究にどのように役立ちますか?
原:
土壌では微生物も酸素を消費します。酸素がなくなると、酸化鉄などの代わりの物質を使います。それらもなくなると、酸化した硫黄である硫酸イオンを使います。すると、腐敗臭が発生するようになります。そうなると、作物は生育できません。土壌に酸素やその代わりがなく、腐敗に近い状態になっているのかどうかを酸化還元電位で判断します。
HIOKI:
腐敗臭というのは硫化水素ですか?
原:
そうです。酸素不足になると硫化水素、広い意味で硫化物が発生します。硫黄は酸素がない状態で、硫化物となります。硫黄はタンパク質に含まれる元素で、生物に必要なんですけど、硫化物は有害な物質です。麦だけではありません。水稲の種子は酸素がない代かきした土壌に直接播くことがありますが、このとき途中で腐ってしまうことも多いんです。これにも、硫化物の発生が関与していると考えています。そこで、最近、水稲種子の処理として、その硫化物イオン発生を抑えるためモリブデンを使う技術を検討しています。
HIOKI:
モリブデンとは何ですか?
原:
モリブデンは生き物に必要な金属元素ですけれど、ここで使う目的は硫化物イオンの生成を抑制するためなんです。モリブデンを栄養として使っているわけではないです。栄養素を栄養以外のところで使ったところがおもしろいと思っているんです。
HIOKI:
農業を科学的に見ると発育のプロセスがわかってくるんですね。
原:
稲の種子を水田に直に播いても腐りやすい一つの要因として、酸素不足によって有害な硫化物イオンが発生するためとを考えています。これは、種子の周りの酸化還元電位を計測することで確認できました。その結果、硫化物を抑制するモリブデンを使うことにつながりました。
HIOKI:
ロギングするということが重要だったんですか?
原:


電力メーター

そうですね。今まで手動で測っていたんですよ。1日ごとにボタンを押して記録して。自動で測る機械がなかったんですね。それでは変化の様子がわかりません。そこで自動化するためにデータロガーを検討しました。
HIOKI:
データミニのように単チャネルあるいは2チャネルの小型ロガーにメリットがありますか?
原:
測りたいところにセンサと一緒に設置できるので小型ロガーがいいです。安いというのもいいです。高価な多チャネルロガーはセンサのケーブルを張って、設置と撤収がものすごく大変なんです。やっぱり屋外ですので部分的に壊れますし。多チャネルロガーは壊れると全滅です。危険分散にもなりますね。
HIOKI:
圃場で測定しているということは外に設置しているのですよね?
原:
防水カバーをかけた状態で、雨ざらしで設置しています。カバーは食品のパックで代用しています。単チャネルロガーは安いので、壊れたらそれだけ替えれば済みます。


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