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佐藤エネルギーリサーチ株式会社

京都金閣小学校外観

文部科学省は環境を考慮した学校施設(エコスクール)の整備を推進しています。

ほとんどの学校施設は環境対策されていません。エネルギー使用状況や教室の環境温度の実態も把握されていません。

消費エネルギーや室内環境を調査・研究するコンサルティング会社、佐藤エネルギーリサーチ株式会社は、データミニを使用して今までわからなかった無駄なエネルギー消費を見える化しました。

佐藤誠代表取締役と小田桐直子様に話を伺いました。

HIOKI (日置電機株式会社営業部販売企画課):
今まで学校の消費エネルギーの見える化はなかったんですか?
佐藤 (佐藤誠代表取締役) :
公表されたデータはほとんどなかったです。今回は、文部科学省のスーパーエコスクール実証事業において採択された学校の現状把握のための調査を文部科学省 国立教育政研究所 文教施設研究センターより委託されて実現しました。 スーパーエコスクールとは、環境配慮した改修をするエコスクールのさらに上を行こうと平成24年度から始まった事業です。目標としてゼロエネルギーです。
( ※参考資料 : 学校施設の環境に関する基礎的調査研究報告書(平成24年取り纏め) )
HIOKI:
古い学校ですか?
佐藤:
平成24年度は既設の三校。それぞれ環境の違う、福島県矢吹町立矢吹小学校京都府京都市立金閣小学校、奈良県生駒市立鹿ノ台中学校の三校でした。平成25年度は二校です。
HIOKI:
学校の消費エネルギーは照明機器が多いというイメージがありますが、最近は冷暖房完備で消費エネルギーも上がっているのでしょうか?
佐藤:
と思うのが普通なんですけど、実際は違うんですよね。
小田桐 (小田桐直子様):
ベース電力の割合が大きい、つまり夜間でも昼間でも何かしら一定の電力が使われていることがわかりました。待機電力とかプールの濾過ポンプとかが常に動いています。学校によって大きさは違うけど同じ傾向です。
佐藤:
だから通常の改修でしたら、高効率な照明を導入して電力量を減らせばいいんですけど、ゼロエネルギーを目指すならベース電力にメスを入れないといけないことがわかった。
HIOKI:
新しい学校ならベース電力が少ないのでしょうか?
佐藤:
それがそうとは限らない。今、新しい学校で計測していますが、古い学校よりベース電力が大きいことが見えてきました。
HIOKI:
何が原因でしょうか?
佐藤:
例えば各教室にテレビが置かれているけど、台数が多いんですね。クラス数がそれなりにありますので。それが完全にOFFになっておらず、スタンバイになっているときもある。
小田桐:
職員室が一番多いです。冷蔵庫とかサーバーもあるので。24時間換気のための換気扇、パソコン教室や便座の暖房もベース電力を上げています。
HIOKI:
電力計を使って調査していくのですか?
小田桐:
電力量計からパルス信号をもらって全体的な電力量をキュービクルの回路ごとに電力量を把握しています。その原因探査は各分岐や機器を地道に測定していきます。今回はHIOKIの3168を使用しました。
HIOKI:
見えてくると次の対策が考えられますね。
佐藤:
そうです。今までよく言われたように断熱の改修と高効率照明の導入でがんばっても減る量はたかが知れていることがよくわかりました。それよりも使わない機器の電源を落とすとかベース電力を減らす提案ができるようになります。
HIOKI:
温湿度はどのような測定をしましたか?
小田桐:
10点ぐらいで測定しています。廊下と中間階と最上階は絶対測ります。最上階は断熱されておらず改修を検討する上でも大切なデータになります。
佐藤:
教室は暖房しているけど、廊下、トイレは寒い。体育館は特に寒い。
小田桐:
教室は暖房しているけど断熱性能がすごく悪いので足元が冷たく、寒い。気密性もよくありません。
HIOKI:
寒冷地でも?
小田桐:
寒冷地でも断熱は入っていません。
佐藤:
それでも暖房しているときは意外と寒冷地の教室の方が暖かいです。
小田桐:
温暖地の学校は暖房をきちんとしていないこともありますが、渡り廊下入口のドアが開けっぱなしなんですよね。すると廊下がとにかく寒い。廊下が寒くて教室も寒い。こういう学校って結構あります。
HIOKI:
断熱材を入れると解決しますか?
小田桐:
学校はとにかく窓面積が大きいので、窓の断熱性能をあげたいです。ペアガラスよりもっとよくした方がいい。それと、冬は渡り廊下のドアちゃんと閉めるというような、運用も大事です。暖房をするところと暖房せず開放するところを明確に区分し対策をとることです。
佐藤:
窓を大きくとって外光を入れれば照明は必要ないという思想の設計でしょうけど、だいたい照明は点けっ放しです。
HIOKI:
考えてみたら学校の設計って特長なく、どこでも同じような形ですね。
佐藤:
そうです。特に築30~40年といった古い学校ではこのようなデータがなかったので、何も考慮していない。敷地の形で建物の形が決まり、中身はどこも同じ。ベビーブームのころに、増加する児童生徒のための学校を短期間で建設する必要があり環境に配慮をする余裕がなかったのだと思います。
HIOKI:
データミニを温湿度以外でも使用していますか?
佐藤:
パルスロガーを使ってガス使用量も測定しています。
HIOKI:
データミニを使ってよかったと思うことはありますか?
佐藤:
とにかくデータメモリが大きい。温湿度をとるならサンプリングスピードも速くないからメモリ容量を全く気にする必要がない。
小田桐:
データをPCに吸い上げるとき、前のデータと自動でつなぎ合わせてくれるからいい。何も気にせずドンドン吸い上げればいい。転送スピードも速くて使いやすい。
HIOKI:
今回は報告書として公表されました。次のステップとしては?
佐藤:
計測結果を活かして環境を考慮した学校を設計支援中でして、予定としては来年施工です。
HIOKI:
それは楽しみです。
佐藤:
必要ないところで使っているエネルギーを省くことが本来の省エネですからね。我慢して省エネとは違う。無駄なものを省く。それには計測データが必要になります。

 

佐藤エネルギーリサーチ株式会社
佐藤エネルギーリサーチ株式会社

佐藤エネルギーリサーチでは、住宅やオフィスビル、学校などさまざまな建物で消費されるエネルギーや快適性を対象とした調査・研究を行うコンサルティング会社です。
エネルギーなんでも!調査隊「快適に省エネ」を合い言葉に、身の回りのエネルギーや快適性についてのソボクな疑問を解き明かすためのワクワク企画、「エネルギーなんでも!調査隊」を発信しています。
是非、ご覧くださいませ。

website : 佐藤エネルギーリサーチ株式会社



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